8月8日のWBSに山中教授が出演されていました。話の要点は2つあり、1つは多くの方が気になるiPS細胞の臨床試験に関してです。こうした素晴らしい成果を「iPS研究のオモテ」として発信する一方で、恐らく一番に訴えたかったのは2点目の「ウラ」、日本の研究費の財政状況だったのかと思います。何年も前から様々な形で状況を訴えつつも、研究への経済的なサポートがまだまだ十分ではない事が分かる出演でした。
私自身、現在進行形である病気の患者かつ、大学院で研究の経験もあります。さらに薬剤師として日々患者と接すると言う3つの立場から、将来的な医療に期待はある一方、そのための基礎的な研究の財政的な問題もある程度理解出来ていると思います。その為には多くの方の基礎研究に対する寄附が絶対に必要です。寄附と言うと全くリターンが無いと考えがちですが、今寄附することが、将来自分が受けるだろう治療や医療の技術発展に役立つと考えると、そのハードルも下がるのでは無いでしょうか?「自分が病気になる前に」将来の自分の健康に貢献する治療法に投資するという考えです。医療や研究と言う所に、投資の考えも混ぜて書いてみました。既に色々な寄附をされている方では無く、寄附と言うと少し心理的なハードルが上がってしまいなかなか気が進まない、そんな方に読んで頂きたい記事です!
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短い期間ではあるものの研究に携わらせて頂き、ホワイトな研究室で指導を頂きました。それでもマウスの世話や学会発表等もあり、土日や世間一般で言う祝日とは無関係に動いておりましたし、深夜まで実験していたことも当然何度もあります(夜を好む方もいましたが)。また、ポスドクの方にも指導頂き、色々とお話を重ねる中で、経済的な問題や研究結果や評価への不安が課題としてあるように思いました。「研究が好きだから」で続けていられる方もいらっしゃいますが、やはりお金も環境もまだ未整備な面もあると思います。経済的な面で満たされることが、如何に仕事に打ち込めるかという点に重要かは社会人になってから感じた所です。海外の研究事情について調べたり、話を伺う中でやはり環境が大きく違うなと。それは国からの支援の規模が違うだけでなく、資金調達の手段も大きく異なるようです。
患者と言う視点で言うと、私自身恐らく一生薬を飲む事にはなる持病があり分かることもあります。例えば、自分の寿命や能力が他の人より劣るのではないか、就けない職業があるのでは、周りの人からの見方が変わるのでは・・と不安になった事もあります。また、薬剤師として患者さんやご家族の方と話していると、根本的な治療が無い不安と懸命に戦っている事が分かってしまう場面もあります。治療法が確立されていない病気は多くあり、基礎的な研究は絶対に必要です。
iPS細胞の研究は、臨床試験を行う成果が次々出ているとは言え、依然基礎研究の色合いや必要性は強く、本当の医療の現場で様々な疾病に対して実用レベルで使われるまでになるにはまだ10年20年単位での年月と経済的な支援が必要、と感じます。つまり、個人・企業からの「継続的な寄附」がまだまだ必要で、それが将来の医療の発展に貢献する可能性が高いです。
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iPS細胞研究への寄附は投資と言える?
「寄附」と言うと一般には「投資」と異なり、リターンは無いと捉えられます。私も幾つかの寄附先に毎月定額を入れていますが、そのリターンは求めていません。まさか難民キャンプへの支援が、回り巡って自分に返って来ると考えてはいないです。しかしiPS細胞の研究に寄附することは何に繋がるかを考えると、将来的な医療の発展に貢献するのはほぼ間違いないと思います。つまり、将来の自分の健康に、過去に「寄附」をしたお金が先進的な医療と言う形で帰ってくると考えると、それは非常に大きなリターンのある「投資」と言えると思います。
将来的な健康のために、様々な健康法や健康食品を取り入れている方は多いと思います。お金持ちの方程健康に関する支出割合が大きいと言う事は良く聞きますし、それが将来的な健康寿命に繋がるのであれば安いものだという考えは至極最もだと思います。しかし、「未来の医療技術の発展」にお金を寄附している方が多いかと言うと、余り聞きません。自分の体と言う目に見えやすい所に投資するのも確かに大事だとは思いますが、将来自分が受けるだろう治療法に投資するという考えもあっても良いのではと思います。
もちろん、iPS細胞治療が確実に将来の自分に役に立つかは分からないです。ただ、その方向性で進んでいるのは間違いないと思います。2030年やそれ以降の医療に役立つための基礎研究、そこに対する投資はお金の利用価値としても非常に高いと感じます。一つの考え方としてですが、自分が出来ない研究を、非常に優秀な方々に自分のお金を利用して未来の医療を発展させてもらえる!と捉えると寄附のハードルはグンと下がるのでは無いでしょうか?
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最終的には「下記のサイトに寄附を!」と言いたいのです。出来れば単発では無く、少額でも良いので継続的な寄附の方が、寄附を受ける側としては予算が立てやすいため都合が良いはずです。個人的に基礎研究は応援していきたい所でもあるのです。iPS細胞研究に関しては「寄附」よりは「投資」に近いと思って頂け、もし少額でも寄附と言う行動に繋がるとしたら嬉しいです。
iPS細胞研究の現在そして未来 -山中伸弥所長が語る「研究を支えるもの」- — 京都大学
日本の寄附文化は拡大していく?
勢いで書いてしまいましたが、恐らく日本で今後さらに寄附文化は拡大していくと思います。まだ規模が少ないという事は拡大の余地があるという事です。ただ、きっかけは必要です。震災はもちろん大変な惨事でしたが、それをきっかけとして寄附が一般になりつつあると感じる方も多いと思います。
今やSNSで「〇〇に寄附した」と言う事を発信できるようなシステムになっているため、キレイな写真を投稿するよりも寄附することが「イイネ」を集められるかも知れませんし、そういう認識になっていけばもっと浸透するのかなと思います。
寄附型のクラウドファンディングもあり、ポイントは募金よりも使途が明確で分かりやすく、「寄附」と言うより「応援する」と言う気持ちが強いと思える点です。
以上、「寄附をもっと身近に考える!「未来の医療への寄附」は「自分の健康への投資」と言える?病気になる前から治療の研究に投資する!」でした!
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全体的に雑記気味になり混沌となりましたが、寄附についての考えを書かせて頂きました!キレイ事を言うつもりは無いですし、個人の考えを押し付けるつもりも全くないです。患者と言う立場、その後の大学での研究の経験、そして薬剤師として患者と接する経験を含めての考えをまとめたつもりです。今回考えてみたのは「もしかしたら将来リターンがあるかも知れない寄附」ですが「純粋にリターンを求めない寄附」も非常に重要だとは思いますし、それを否定する意図は当然全くないです。本記事で言いたい事は、寄附を「全くリターンが無いからやらない」と考えている人がいたら、そういう面ばかりでは無いのでは?と。何らかのきっかけになれば幸いです!
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